【コラム風日記】淡い(上)

淡い恋。

誰しも一度は経験したいと思うはず。

今回はそんな物語。
これは100%ノンフィクションの話である。

これはちょうど10年前

私は高校二年生。季節は師走。

野球部に所属していた私に早めの春を告げる出来事が起きた。

野球部にとって冬という季節は体を作る時期

ボールは使わず、ひたすら下半身を鍛え上げるために毎日毎日走り込みをしていた。

私の学校の後ろには大きな古墳があり、山のように大きく、陸上競技やその他の部活動の生徒が走り込みに毎日使用している。

マラソンの元金メダリスト野口みずきさんも走り込みをしていた場所らしい。

私はいつものように外周と言われる古墳の回りをひたすら走る練習をしていた。

すると、颯爽と私を追い抜く者がいた。

その瞬間、私の目の前は光輝き、まるで天使が目の前を通りすぎたようなそんな感覚に襲われた。

どんな感覚だよと思うことはさておき、しばらくして視界が戻ると私を追い抜いた者が何者かぼんやり理解した。

女性。部活動で走り込みをしている女子生徒。

走る度に汗がキラリとひかり、私はその子を天使と見間違えたくらい眩しくて神々しかった。

これが私の初めての一目惚れでした。

一緒にいた同級生に
「あの子誰!?知ってる??」
興奮ぎみに同級生に尋ねました
「知らんなぁ見たことないな」
「そっか」

その日からその子のことが頭から離れず、毎日毎日来る日も来る日も意識する日々が続いていった。

後々分かったことでしたが、その子は同じ学年の女子バスケットボール部だと分かりました。私の学年は全部で9クラスあり、普通科、文系、理系、特進と別れており、その子は特進クラスでした。

私はもちろん普通科で特進クラスの生徒と絡むことはなかなかありません。

しかし、知れたことだけで嬉しく、それから毎日学校に行くのが楽しみになりました。向こうは私のことを知らないけれど、目が合う度に私は顔を赤らめるのでした。キモすぎる童貞。キモ貞でした。そして、運命的な出会いから3ヶ月が経ち、私は三年生になり、高校生活最後の一年へ差し掛かろうとしていました。

私はなんとかその子と話したいなと考えました。クラスは階も違い、普通科は一階、特進クラスは三階と離れており、普通科のやつが三階にいくことはなかなか出来ません。勝手に行くと不審者扱いされるからです。

幸い自分のクラスに女子バスケットボール部の女子がいて、その子に勇気をもって初めて相談に乗って貰うことにしました。そして、その子から私が一目惚れした子のメールアドレスをゲットすることができ、めちゃめちゃ嬉しかった。生きてきて一番嬉しかった! 帰り道堤防で意味もなく声を上げた!

うるせー!とおっちゃんに怒鳴られたが、そんな言葉すら耳には届かなかった。

家に帰り、晩御飯を早々に切り上げ、高揚した状態で携帯と睨み合った。

急に知らない男からメールが来るのはキモすぎるということで、
一応、友達の女の子からなんとなく説明をしてもらい、なんとかメールのやりとりをスタートさせることができた。

最初のメールを送るのに2時間はかかったかな
淡いね~。

ここから毎日メールのやりとりを始め、こんな絵文字使うんだ、とか、前の中学はあそこか、とか、趣味はこれなんだ、とか、彼女の新しい一面をたくさん知って、もっと彼女を好きになれた。

なにぶん私は奥手だったので、そこから3ヶ月メールだけのやりとりが続いていく。それでも私は毎日楽しかったし、家に帰ると携帯にかじりつく日々でした。部活動や勉強には手をつけられないくらい夢中でした。

これが恋は盲目であると言われる所以なのかな。

そんな平行線の日々もある一言で一気に急展開を迎えることになる。

夏休み前に同じクラスの女子バスケットボール部の子と私と友達5人でカラオケに行ったときのこと。

カラオケを楽しんでいたら、

女友達「聞いたよ、好きな人いるんだって?」

私「え?!なんで知ってんの!?」

女友達「バレバレだよいっつも見てるじゃん」

どうやら言動で全てばれていたらしい。
なんと恥ずかしいことやら。

知られてしまったからには、相談に乗って貰おう。

彼女は僕の好きな子と同じバスケットボール部に所属していて、いろいろ教えてもらった。

彼女が何が好きで、趣味は、好きなタイプは、などなど。

そんな話をしていたら、急にもう一人の女子が「もう告っちゃいなよ」

ジャニーさんみたいなことを言ってきた
私「無理でしょ、そんな急に」
女友達「大丈夫大丈夫!行けるって!」
私「本当に?」
女友達「絶対成功するよ!」
私「そうかなぁ」

私は押しにめっぽう弱い!よく周りに流されてしまう。
この時も勢いで押しきられてしまい、私も行ける気になっていた。

そこから告白するためにどうするか、作戦会議が開かれた。
その時の私は気づかなかったが、多分周りの友達は軽い気持ちで楽しんでいた。一時の刺激、面白い企画というだけのことだったのだろう。

そんなことも知らず、私はみんないいやつだなこんなやつの恋愛に協力してくれて最高な友達だと本気思い込んでいたのだった。

かくして作戦会議は順調に進んでいった。

女友達いわくサプライズが嫌いな女はいないらしく、サプライズ告白をする段取りになった。シチュエーションはこうだ。

10月にある学校二大行事である文化祭が行われる。

その中で一番盛り上がるプログラムがのど自慢大会。

のど自慢大会は全校生徒が体育館に集まり予選を勝ち抜いた生徒20人が競いあうというもの。

私は自慢じゃないが歌がうまかった。

そこでサプライズとしてのど自慢終了直後に舞台上で告白するという戦法だ。

ちょうどV6の学校へ行こうという番組の未成年の主張で告白するようなものと思ってもらっていい。今思えば結構すごいことをやってのけたと思っている。

そこで問題があった。

客席に好きな人に来て貰う必要がある。
しかも前列に、そうしないとうまくいかない。

私が歌い終わり、舞台上で告白する。
スポットライトを客席の彼女に当て、私が舞台を降りて彼女に近づき合否をもらう。
オッケーならみんなでダンスを踊る。という当日の構成になった。

なんてむちゃくちゃな構成だ。
若い舞台監督は恐れを知らない。

かくして、私は文化祭で好きな人に告白をすることになったのだ。

そして彼女とメールのやりとりをし、私がのど自慢大会に出ることを伝え、どうしても観てほしいから舞台の目の前の客席で観てほしいという主旨を伝えたのだ。

そして、来る文化祭当日。

またしても事件は起きた。

淡い(下)へ続く、、、