【コラム風日記】ネパール

7月 13, 2019

これは、私が大学生の頃の話である。

大学二年の時、私の大学では、ゼミというものに必ず所属しなければならなかった。

ゼミというのは、高校のホームルームみたいなもので、ゼミの単位が取れなければ卒業することができないのだ。大学の掲示板に各ゼミの教師名と研究内容を見て自分で入りたいゼミを選択するというながれだ。

私は特にこれといって入りたいゼミはなかったので、適当に藤原ゼミというゼミに所属した。しかし、あとから知らされたのだが、藤原ゼミというのは、毎年ネパールに行き学校を建設するというのだ。それも強制的に。

なんてこった。

なかば半信半疑だったが、毎回のゼミでネパールについての研究レポートや、話し合いが進んでいく。聞くとネパールは最貧困国らしい。それも知らなかった。藤原ゼミで最初に行われたのは募金活動だ。

大学近くの駅前で募金活動を行う。私は、正直募金活動はやりたくなかった。恥ずかしかったし、なにより、こんなやる気のないやつが募金活動をしていいものなのかと感じていた。

たまに駅前で、大きな声を出して、処分される犬や猫を助けて下さいという募金活動を見かけるが、本当に本気で思っているのか疑問に感じていた。

なかには本気でやっている人もいると思うが、私は募金先が明確ではないものには、どうも信用ならない。いつだったか、大声で募金して下さいと謳っている若者に、これはボランティアですか?と聞いたことがあった。

若者は5000円もらっていますと答えた。

バイトやん。

それを募金したらいいのでは?と思った。そんな感じで、募金活動というのは、善人ぶってやってはいけないと思い、当時の私は心底そう思っていた。

ネパールに旅立つ日が近づいてきて、募金のお金や、企業からの支援金も集まっていたが、私はどうしてもネパールに行きたくなかった。海外に行ったことすらなかったし。しかも、旅費は自分で稼げと言われて、20万円の大金をそんな簡単には稼げないし、貯める努力もしていなかった。

まぁお金がないから、行けませんを狙っていた。そして、月日は流れ、いよいよ来週ネパールに旅立つことになってはいたが、ゼミの先生にお金がないので、ネパールには行けません。すいませんと話した。

ビックリした。

先生は心配ない。お金は俺が出すと、ほぼ全額先生が負担するというのだ。

どういうつもりだ??どうしても私をネパールに連れて行きたいのか?ネパールで肉体労働でもさせるきなのか?

こうして私は、なかば強制的に、空港を後にしたのだ。

(続く)